仮想通貨の取引は、取引所か販売所で行うことになります。基本的な取引は取引所の一択ですが、販売所にもいくつかのメリットがありますので、これから取引をしていく人はぜひ押さえておきたいところです。
今回は、取引所と販売所の違い、そしてそれぞれのメリット・デメリットをご紹介します!
Contents
仮想通貨の「取引所」と「販売所」の違い
まずは取引所と販売所の違いを簡単に見ていきましょう。ざっくりイメージだけでも掴んでみてくださいね。
「取引所」は利用者同士で売買するところ
取引所は、仮想通貨を取引したい利用者同士が売買をする場所です。『板』と呼ばれる場に自分の注文(買いたい・売りたい)を出し、条件が合えば取引が成立するというシステムです。
取引所はその場を提供することで、仲介料として手数料を各利用者から徴収し、利益を得ています。
たとえば、1ビットコインを100万円で買いたいと板に出しておけば、希望者が現れたときに取引が成立し、1ビットコインを購入することができます。これは株取引と似たシステムなので、やったことのある人はすぐに馴染めるはずです。
ちなみに、板に注文を載せることをmakar(メイカー)、すでに板に載っている条件で取引をすることをtaker(テイカー)と言います。今はあまり気にしなくて良いですが、実際に取引をすることになれば、手数料などが違ってきますので、少し意識してみると良いかもしれません。
「販売所」は販売所の指定額で売買するところ
販売所は、その名の通り仮想通貨を販売しているところです。販売と言っても売っているだけではなく、買取もしてくれます。取引所では希望した取引が成立するまで少し時間がかかりますが、販売所は通貨がすでに用意されているので、欲しいときにすぐ購入したり、売ったりすることができます。
ただし、取引所で実際に取引されている価格に手数料が数%加算されているので、取引所で売買したほうが圧倒的にお得です。
取引所と販売所の手数料の違い
取引所で売買をすると、売買手数料が0〜0.3%ほどかかります。先ほど解説したmakerやtakerなど、売買方式によって手数料を定めていることがほとんどです。基本的に、購入額によって変わることはありません。
販売所では、売買手数料は基本的に無料です。しかし、販売価格はあらかじめ高く設定されていて、必ず販売所に利益が出るようになっていいます。実際の通貨価格と、販売所で販売されている通貨価格の差のことを「スプレッド」と呼び、これが販売所の実質的な手数料ということになります。
たとえば、スプレッドが5%の販売所では、1ビットコイン100万円のときは105万円で販売されるということです。通貨を売るときも同じで、本来100万円で売れるビットコインを、95万円で買取されることになります。
取引所:「売買手数料0〜0.3%」→実質手数料0〜0.3%
販売所:「売買手数料0円!でもスプレッドは5%!」→実質手数料5%
というようなことが起こっています。
販売所のスプレッドはあまり公開されていないため、「隠れ手数料」と呼ばれることもあります。
取引所のメリットとデメリットを確認しよう
まずは取引所のメリット・デメリットを確認しておきましょう。
好条件で取引できることがメリット
取引所では、たとえば100万円で買いたいと板に出しておき、その条件なら売りましょうと100万円で売ってくれる人が現れたときに取引が成立します。つまり、販売所のようなスプレッド(売買差額)が生じることはなく、利用者にとって好条件で取引することができます。
手数料はかかりますが、販売所の高スプレッドで売買するよりも圧倒的に安いです。
デメリットは売買に時間がかかること
取引所では、売買が成立するまでに時間がかかることが最大のデメリットです。自分がある金額で「買いたい」「売りたい」と考えていても、他の利用者がそれを「売りたい」「買いたい」と思わなければ取引が成立しません。時間がかかるどころか、条件が合わないと何日待っても取引できないこともあります。
また、少し下がるだろうと予想して、現在の価格よりも少し低く買い注文を出していると、その価格まで下がらずにそのまま高騰していくということがよくあります。そうなると、はじめから少し高めに買い注文を出しておけばよかった・・・なんてことにもなります。(その駆け引きが仮想通貨の面白いところでもあります。)
販売所のメリットとデメリットを確認しよう
私は取引所でしか取引しませんし、当サイトでも取引所をおすすめしています。しかし販売所にも良い所はあるので、これから仮想通貨の世界に入るなら、覚えておいて損はありません。
メリットはいつでもすぐに取引できること
販売所のメリットは、いつでも好きなタイミングで取引できることです。1コインでも100コインでも、取引ユーザーを待つことなく売買できます。
ただし、取引所でも成行注文をすれば大抵はすぐ取引できるので、よほどのことがない限り利用する必要はないでしょう。価格が急落し、売りたいのに買い手がまったくつかない(いくら待っても売れない)というときは、販売所で買い取ってもらいましょう。
デメリットはスプレッドの差が大きいこと
スプレッドとは、「買値と売値の差額」のことです。販売所はスプレッドの幅が広く、利用者にとってはデメリットでしかありません。
たとえば、1ビットコインの相場が100万円のとき、
取引所:100万円で買える!100万円で売れる!(手数料は100円だよ)
販売所:105万円で売ってるよ!95万円で買取するよ!
というように、買値と売値に大きな差があります。
このとき1ビットコインを取引所で買えば100万円ですが、販売所で買えば105万円も必要です。
取引所では売買手数料がかかりますが、それでも圧倒的に販売所よりもお得です。
仮想通貨の取引で「取引所」をオススメする理由
仮想通貨の取引をするなら、販売所ではなく取引所がおすすめです!基本的なことですが、もう一度おさらいしておきます。
販売所よりも圧倒的にお得
先ほども解説した通り、同じ価値の通貨を売買したとしても、販売所では大きな隠し手数料(スプレッド)によって利用者は損をしてしまいます。取引所ではすぐに取引できない可能性もありますが、販売所で買うなら取引所で成行注文にしたほうが賢明です。
取引所で指値注文失敗 > 販売所での取引 > 取引所で成行注文 > 取引所で指値注文成功!
右にいくほどお得に取引することができます。もっとも安全な方法は、取引所で余裕を持って指値注文することです。大きな利益を狙わず、ここなら売買できるだろうという価格で指定しておきましょう。(takerならもっと安全!)
相場の流れをつかめる
仮想通貨の取引をするうえで、相場の流れを確認することは非常に重要です。取引所では、個人の取引履歴を確認でき、実際の価格の変動をリアルタイムで確認できるので、仮想通貨取引で利益を得るための重要な材料となります。
取引所の板情報がもっとも新鮮な相場です。取引所ではこの板情報を頼りに取引していくので、ここから上がりそう、下がりそう、という予測力がついてきます。しかし販売所に板情報はなく、販売所が提示する金額で売買することになるので、相場の流れをつかめず、高騰や急落時に乗り遅れてしまう可能性もあります。
アービトラージで稼ぐことができる
仮想通貨の価格は、取引所ごとに少しずつ異なります。アービトラージ(裁定取引)とは、この価格の差を利用して利益を得る方法です。より安い取引所で購入し、より高い取引所で売却する、というサイクルを繰り返し行うことで、利益を得ることができます。
販売所の場合、買うときは高く、売るときは安くなりますので、その差額で利益を得ることはできません。アービトラージ取引をするなら、取引所一択です。
しかしこの価格差は大きいものではありませんので、一攫千金を得るというよりは、地道にコツコツと稼ぐという方法になります。購入・売却が短期間で行われるため、大きなリスクを負う確率は少ないといえます。
一方で、複数の取引所の価格変動を常時確認していなければならないことや、売却時の価格変動によるリスクが発生する場合があります。たとえば、安いところで購入したはずが、売るときに価格が急落してしまい、結局損失が発生するということが起こるということです。
おすすめの取引所3社
それでは、当サイトでおすすめしている取引所3社をご紹介します!評価や口コミ、取引高や売買手数料など、さまざまな角度から研究し、厳選した取引所です。
bitFlyer(ビットフライヤー)
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bitFlyerは、国内最大手の取引所です。CMによる安心感もあるためか、初心者の利用が非常に多い印象です。手数料も比較的安く、主要取引所にしてもまったく問題ありません。
ただし、取引所ではビットコインしか取扱がなく、アルトコインの取引をしたい場合は販売所を利用するしかありません。ビットコインはbitFlyerで取引し、アルトコインやトークンはZaifで取引する、という手法がおすすめです。
Zaif(ザイフ)
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同じく大手取引所のZaifは、マイナス手数料が最大の特徴です。ビットコインの売買手数料が-0.01〜-0.05%という破格の数字。取引すればするほど手数料がもらえるという仕組みになっています。アルトコインはマイナス手数料ではありませんが、それでも0.1〜0.3%と比較的安いです。
最近ではCMも始まり、bitFlyerと国内二大取引所として肩を並べています。
coincheck(コインチェック)
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2018年1月に仮想通貨XEM(ネム)がハッキングにより流出するという事件があり、大きな被害を受けたcoincheck。一時はバッシングの嵐で炎上したものの、その後全額補填などのスピード対応が功を奏し、反対に高評価となっているようです。
2018年3月12日、対象者にXEMの返還をし、本格再開に向けて準備を着々と進めています。
今はまだ事後処理のため完全な運営状態とは言えませんが、今後かなり伸びるであろう取引所であることは間違いありません。おそらくセキュリティにはめちゃめちゃ力を入れてくることが予想されます。
まとめ
今回は取引所と販売所を比較してみました。そもそもシステムがまったく違うので比較するものではなく、両方の良いところだけを「いいとこ取り」して、うまく活用できるのが一番です。
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